ミシンの跡?

2018.12.10 Monday

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    クロムエクセルのキーケース

    【ミシンの跡?】

     

    今回は「ミシンの跡?」というお題でお話しいたします。

     

    先日クロムエクセルのキーケースをご購入いただいたお客様からご質問をいただきました。

    ステッチの横の「線」に関して、これは何か?という趣旨のご質問です。

     

    上の写真を見てお分かりのようにステッチと並行して線がありますね。

    これは題名の通り「ミシンの跡」なのです。

     

    SHINの商品はこのSINGER17という足踏みミシンで縫製されております。

     

     

     

    シンガーの足踏みミシン

     

    シンガーの足踏みミシン

    さてこのミシンの跡というのは、厳密に言えばミシンの「押さえ」の跡ということになります。

    このローラー状の押さえが通った跡です。

     

    ちなみにこの写真のまま縫いますとローラーの網目状の跡が革に付きます。

    あえてこの網目状の跡を残すと実はいい感じの「模様」がステッチの横に付くのですが、好みが分かれるのでSHINではローラーに薄い生地を貼って模様を消しています。

     

    クロムエクセルのキーケース

    もう一度見てみましょう。

    • 革が柔らかい
    • 分厚い

    という二つの条件が揃うと最もこの「跡」が付きやすくなります。

    以上の条件によりクロムエクセルは跡が付きやすい革なのです。

     

     

     

    そして縫った裏側はどうなっているかというと…

     

     

     

     

     

    クロムエクセルのキーケース

    表面よりすごい「跡」。

    こちらもお客様からご質問を頂きました。

     

     

     

    足踏みミシン シンガー

    跡の犯人はこの「送り」。

    この「送り」が前後に動くことで革が送られて縫製されていきます。

     

    これでも多少この「送り」を削って跡をマイルドにしています。

    本来はもっと尖っていますので、写真の四角の跡では無く、鋭い線状の跡が付きます。

     

     

    この系統のミシンを使っている方の中には、なんとかこの「跡」を消そうと頑張っている方がいらっしゃいますが、僕は「これはこれで味があっていいのではないか?」

    という結論に達しています。

     

    僕は「ざっくり感」というのが好きでして、日本製の丁寧に作られたものはもちろん良いですが、例えばアメリカ製の大雑把(ざっくり)に作られたものも好きなのです。

    SHINの商品の中では「ミリタリートート」などがそのメイド・イン・アメリカ的カテゴリーです。

    言い訳に聞こえるかもしれませんが、このようなものは「ひと針ひと針丁寧に…」という作り方ではなく、ある程度「勢いで作る」というのが必要だと思っております。

    (もちろんワザと雑に作ってはいませんが、財布などと比べると縫製がやや「ラフ」な感じを受けるかと思います)

     

     

    話を戻します。

    今回のお題のような製造上やむなく付いてしまう跡などは僕にとっては当たり前になっており、あまり気にしていませんでした。

    しかし初めて見るお客様にとっては「不良品?」と思う方もいらっしゃるということで、HP等でももっと説明していかなければ!と思いました。

    ご質問ありがとうございました。

     

     

    何かご不明な点などがありましたらなんでもご質問ください!

    よろしくお願いいたします。

     

    それでは今回はこの辺で。

    SHIN代表兼職人の加來でした。

     

     

     

     

     

     

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