革の特徴から探す「好みの革」
2018.12.13 Thursday
この度、「革の特徴から探す好みの革」という情報ページをオンラインショップのスマートフォン版に作りましたのでご紹介します。
革の銘柄から、「これはこういう革」という説明はあったのですが、
「硬い革がいい!」とか「艶がある革がいい!」とか「シボがある革は?」という風に「逆引き的」に調べられるページも必要かなと思いまして作りました。
そのページはこちら「革の特徴から探す好みの革」
(パソコンでも見られます)
是非ご覧ください。
ちなみに以下の「簡単な革の説明」はその情報ページに1000文字以上はアップできないため、泣く泣く削除したもの。
(上記ページの中の「革の詳細説明」のリンクには以下の説明より詳しく書いてあるページに飛べるので、いらないと言えばいらないのですが、折角書いたので...)
【簡単な革の説明】
ブッテーロ
イタリア/ワルピエ社製の植物タンニン鞣しの牛革。
「ヌメ革の王様」の異名をとる有名な銘柄。
硬めで張りが有り、初めは半艶状態であるが使い込んでいくと「透明感のある艶」が出てくる。
イタリアならではの発色の良さも売り。
マレンマ
ブッテーロと同じくイタリア/ワルピエ社製の植物タンニン鞣しの牛革。
ブッテーロに似ているが、より多くオイルを含んでいる。
「プルアップ」という特徴があり、革を曲げたり圧力をかけると内部に含まれたオイルが移動し、その部分の色が薄くなる。
これにより濃淡のグラデーションが生まれ、深みのある表情になる。
引っ掻き傷などは付きやすい革であるが、使い込むことで傷も馴染み、味になる。
ブッテーロと同様に半艶から使い込むと透明感のある艶が出てくる。
アリゾナ
イタリア/ブレターニャ社製の植物タンニン鞣しの牛革。
自然なシボ(細かいシワ)が特徴の革。
比較的ソフトな風合いで傷も目立たず、経年変化も期待できる完成度の高い革。
クロムエクセル
アメリカ/ホーウィン社製のコンビネーション鞣しの牛革。
ワークブーツ等に使われる分厚くタフな革。
オイルが過剰とも言えるほど含まれており、触ると手にオイルが付くほど。
そのため多少の水なら弾いてしまう。
柔らかめの革なので、SHINでは分厚いまま使用している。
経年変化は「ワイルド」な仕上がりになる。
リオ
イタリア/モンタナ社製の植物タンニン鞣しの牛革。
「ダブルバット」というお尻の部分から採った革で、繊維が詰まっていて丈夫である。
まさに「スタンダード」な革であり、SHINでは財布の内装などにもよく使っている。
コードバン
馬のお尻の革。
コードバン層という革の内部の繊維が一番詰まった「層」を削り出し磨き上げた革。
「革のダイヤモンド」と呼ばれ、美しさ、耐久性などがトップクラスの革。
原皮が希少でしかも生産に手間が掛かるので、世界でも数社しか作れない。
日本が誇る「新喜皮革」製のコードバンである。
日本製ならではのクオリティを感じることができる。
艶があり、硬めの質感。
シェルコードバン
上記と同じコードバンであるが、こちらはアメリカ/ホーウィン社が作るコードバン。
世界の一流メーカーが採用するコードバンの「ブランド」。
希少性、輸入コスト、ブランド価値から最も高級な革の一つ。
(爬虫類など特殊なレザーを除く)
日本のコードバンに比べて表面は「毛穴」「小傷」「色ムラ」等、ややワイルドな質感。
上品とワイルドが同居する「メイドインアメリカ」のコードバン。
サドルレザー
所謂「ヌメ革」である。
日本の「昭南レザー」製の植物タンニン鞣しの牛革で、無染色で革本来の色(肌色に近い)。
言ってみれば「スッピン」のため、表面の傷やシミ等がそのまま残っている。
また、水シミや汚れも付きやすくデリケートな革だが使い込んでいくと「劇的」に変化する。
色は飴色になり、艶が出てくる。
経年変化はワイルドな仕上がりになる。
ある意味では上級者向けの革と言えよう。
ホースハイド
国産の植物タンニン鞣しの「馬革」。
馬革は牛革に比べると圧倒的に出回る数が少ない希少性のある革である。
牛肉と馬肉を食べる割合を考えてもお分かりだろう。
(革は食肉の副産物)
荒々しいシワが入った馬革は傷が目立ちにくくワイルドな印象。
革好きの中では「馬革」というだけで一目置かれる存在である。
イビザ
イタリア/テンペスティ社製の植物タンニン鞣しの牛革。
オイルを豊富に含んだ「プルアップレザー」で、曲げたところの色が薄くなる特徴を持つ。
初めから艶があり、経年変化も非常に期待できる革。
SHINでは「赤」しか取り扱っていない。
「赤」のイビザは非常に美しく、使い込んでいくと「深みのある」赤に変化する。
ブッテーロよりはソフトであるが、厚みもありボリューム感も魅力。
それでは今回はこの辺で。
SHIN代表兼職人の加來でした。