サドルレザー(ヌメ革)とは

2017.08.27 Sunday

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    サドルレザーウォレット

    ハンドメイドの革製品を製造販売しております【SHIN】代表兼職人の加來(かく)です。

     

    今回のテーマは...

     

    【サドルレザーとは何か?】


    サドルレザーというのは革好きの方はたまに聞くと思います。

    簡単に説明しますと

     

    「サドルレザー」=「ヌメ革」

     

    となります。

     

    では「ヌメ革」とは何か?


    ヌメ革を説明する前に、まず「革」とは何かっていう

    根本的な問題からスタートしなければなりません。

    動物の「皮」は本来すぐに腐敗してしまうので、

    鞣し剤を使って「皮」から「革」に鞣す(なめす)工程が必要であります。

    鞣しには大きく分けて2種類の方法があります。

     

    1. タンニン鞣し
    2. クローム鞣し

     

     

    【タンニン鞣し革の特徴】


    タンニン鞣しとは古来からある方法で、植物の渋(タンニン)を使った鞣しです。

    仕上がった革はいくつかの特徴があります。

    • 革っぽい(ざっくりしてますが)
    • 経年変化しやすい
    • 堅牢
    • 水の影響を受けやすい
    • 熱に弱い
    • 鞣しに時間がかかる
    • 自然に優しい

     

    【クローム鞣し革の特徴】


    クローム鞣しは近代に生まれた方法で、金属の鞣し剤による鞣しです。

    特徴は

    • 経年変化しにくい(人によってはメリットでありデメリットでもあります)
    • 水に強い
    • 熱に強い
    • 鞣しに時間がかからない

    変化しにくく、生産の時間がかからない=コストが安いというメリットから、

    現在出回っている革の大半が「クローム鞣し革」です。

    (クローム鞣し革でもとても高価なものもあります)

    ※現在の風潮では、エコで取り扱いが多少デリケートではあるが革っぽい風合いが楽しめる

    「タンニン鞣し革」の人気が高まっています。

     

    ちなみにこの2つの中間の「コンビネーション鞣し(混合なめし)」というのもあります。

     

     

     

    さて、以上の事を踏まえたうえで大きなカテゴリー分けで言えば


    タンニン鞣し革=ヌメ革

    ということになります。

    この大きなカテゴリーでの「ヌメ」というのはどちらかというと革業界の中で使われていて、

    例えば革屋さんに革を見せてもらう際に「これはヌメです」(タンニン鞣しです)的なニュアンスで使われます。

    革屋さんによっては「コンビネーション鞣し」もヌメという分類をされます。

     

     

    そして、小さなカテゴリー(一般的な意味)での「ヌメ革」というのは、

    「染色をしていないナチュラルな色のタンニン鞣し革」

    となります。

     

    写真のラウンドファスナーウォレットで使用しているのがその

    「染色をしていないナチュラルなヌメ革」なのです。

    そんなヌメ革にもじつは色々あるのですが、

    SHINで使っているのは日本が誇る「昭南皮革」のヌメ革です。

    経年変化が素晴らしく、国産トップクラスのヌメ革です。

     

    初めは写真のように「肌色」のような色ですが、紫外線を浴びるとまさに

    「日焼け」して色が濃くなっていきます。

    最終的には「飴色」にエイジングします。

    革の中では最も経年変化が激しく育てるのが楽しい革ではありますが、

    その反面とてもデリケートな革ですので特に使い始めて初期の頃には汚れ

    雨シミ等が付きやすい革でもあります。

    ある意味一番奥が深い革と言ってもいいんじゃないでしょうか。

    ヌメ革サドルレザー財布

    写真は以前、お客様の修理でお預かりした際に取らせていただいた

    エイジングされたサドルレザーのウォレットです。

    育てる方によって様々な経年変化をする革です。

     

    「サドルレザー」を簡単に説明するはずが、長くなってしまいました^^;

     

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